発見と刺激に満ちた斬新な日本語訳聖書
原典に忠実な翻訳と周到な注釈によって、新たな読解の可能性を開いた「岩波版新約聖書」。新約聖書学の達成を踏まえた訳語の大胆な工夫と、聖書特有の表現や翻訳上の考え方を詳説する傍注、巻末の用語解説によって、新約の世界を立体的に甦らせる。その特長を一層深めた、全一冊合本版の刊行から19年を経ての初の改訂。
【主な改訂のポイント】
● 初版(2004 年)刊行後に出現した、ギリシア語定本の改訂版(「ネストレ‐アーラント校訂本」28 版)や、新たな日本語訳聖書(日本聖書協会の「協会共同訳」、田川建三訳など)を参照しつつ、本文・注・用語解説の大幅な見直しを行いました。
● とくに、共観福音書(マルコ・マタイ・ルカの 3 福音書)、「使徒行伝」、「ヨハネの黙示録」では多くの箇所で訳文が刷新されています。
● 改訂により、いっそう個性的な訳語が採用されている例
マルコ15:13(初版)「すると彼らはまた叫んだ、「十字架につけろ」。」→(改訂新版)「すると彼らはまた叫んだ、「そいつは杭殺刑にしろ」。」
マルコ15:24(初版)「そして彼らは、彼を十字架につける。」→(改訂新版)「そして彼らは、彼を杭殺柱につける。」
マタイ 5:28(初版)「……誰でもある女を見ながら、彼女への欲情を覚えてしまう者は、自分の心の中で既に彼女と姦淫を犯したのである。」
→(改訂新版)「……誰でもある女を見ながら、彼女への欲情を覚えてしまう者は、自分の心の中で既に彼女と結婚破りを犯したのである。」
ルカ 7:23(初版)「そして、幸いだ、私のことで躓かせられることのない者は。」→(改訂新版)「そして、幸いだ、私のことで罠にかからぬ者は。」