神よ、変えられないことを平静に受け入れる恵みを、
変えるべきことを変える勇気を、そして一方から他方を
見分ける知恵をわれらにお与えください。
このあまりにも有名な「平静の祈り」は1943年、第二次世界大戦下に生まれた。
作者ニーバーを取り巻く神学状況、ボンヘッファーらとの交流、ニーバー自身の人生行路を、愛娘が綴った異色の神学ドキュメント。
2万字におよぶ日本語版独自の解説も読み応えがある。
著者のElizabeth Sifton氏は、1939年ニューヨークで生まれた。多くの出版社で編集者として活躍し、ソール・ベロー、アイザイア・バーリン、ドン・デリーロ、マイケル・イグナティエフ、カルロス・フエンテスら著名な作家たちを手がけた。2019年没。
訳者のあきた・のぶこ氏は1956年愛知県生まれ。京都大学文学部(キリスト教学専攻)卒業後、英語教師を経て、現在は翻訳・会議通訳に携わるフリーランサー。訳書にロドニー・スターク『キリスト教とローマ帝国』(新教出版社2015年)ほか。
解説のやすかた・としまさ氏は1952年鳥取県生まれ。京都大学文学部、同大学院、ヴァンダービルト大学で学ぶ。Ph.D.(ヴァンダービルト大学)、文学博士(京都大学)。専門はキリスト教思想史。現在北海学園大学学長。