出エジプト記」は現代のキリスト者に、いかなるメッセージを告げているのか。
聖書記者の信仰告白と、その背後にある神の御手にまなざしを向けた、15年にわたる著者渾身の説教集。出エジプト記全講解。
「現代文明とは何か。それは神を無視した人間の傲慢の果てにたどりついた凶器のパノラマである。……そこで生きている人間は深く病んでいる。……魂が病んでいる。あのキルケゴールが申しましたように、私達は、絶対者なる神の御前に、まず深く沈黙するところから再出発しなければならぬと思います。そして私達が他ならぬ人間であること、人間にすぎぬことを思い知らねばなりません。」(本文より)